科目一覧へ戻る | 2021/09/17 現在 |
開講科目名 /Course |
構造物理化学II |
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時間割コード /Course Code |
7211000059 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
|
開講所属 /Course Offered by |
理工学部/ |
曜日コマ /Day, Period |
火/Tue 1 |
開講区分 /Semester offered |
前期/first semester |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
宮本 量/MIYAMOTO RYO |
科目区分 /Course Group |
専門教育科目 専門応用科目 |
教室 /Classroom |
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必修・選択 /Required/Elective |
必修 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Faculty/Department |
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宮本 量/MIYAMOTO RYO | 理工学研究科/ |
難易度(レベル) /Level |
レベル2 |
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対応するCP/DP /CP/DP |
CP・DP 1 見通す力 CP・DP 3 学び続ける力 |
授業としての具体的到達目標 /Concrete arrival target as the class |
○ あらゆる原子の原子オービタルの基になる水素型原子の波動関数が, 動径関数と球面調和関数の積で表せることを理解している. ○ 水素型原子の波動関数の動径関数と球面調和関数の, それぞれの概略の形を知っている. ○ シュレーディンガー方程式の近似的解法である摂動法により, 摂動エネルギーと摂動波動関数を求めることができる. ○ 変分法 (変分原理) を応用して, LCAO 近似において, 永年行列式・永年方程式を作ることができる. そしてそれを解き, エネルギーと波動関数を求めることができる. ○ 多電子の系を解くための一電子近似とハートリー-フォック方程式があること, および解き方の原理 (つじつまの合う場, SCF) を知っている. ○ パウリの原理と, それを満足する波動関数としてのスレーター行列式を知っている. ○ 与えられた原子 (電子配置) について, ラッセル-ソーンダース結合にもとづく原子の項記号を書くことができる. ○ 分子軌道法により, 結合性オービタルと反結合性オービタルが得られることを理解している. ○ パウリの排他律・フントの規則に従ってこれらの分子オービタルに電子が入ることで原子間の結合が形成されること, そして結合の強さの指標である結合次数について理解している. |
授業の概要 /Summary of the class |
本講義では, まず最も簡単な原子である水素原子について学びます. これは全ての原子・分子を理解する基盤として非常に重要です. 次に一般には厳密に解けないシュレーディンガー方程式を近似的に解く方法として変分法と摂動法を学びます. これにより, 多くの化学的に興味のある系に対してシュレーディンガー方程式を用いて議論することが可能になります. それから, 一般の原子である多電子原子について, そして分子を構築する重要な要素である化学結合 (主に共有結合) についての量子論を学びます. これにより, なぜ原子が集まって分子が形成されるのかが理解できます. |
授業の内容予定 /Contents plan of the class |
おおむね教科書に記載の順で講義がなされます. 第01回 構造物理化学I (1章から5章まで) の復習 第02回 6章 水素原子 <1>水素類似原子のシュレーディンガー方程式 第03回 6章 水素原子 <2>球面調和関数 第04回 6章 水素原子 <3>動径関数 第05回 7章 近似的方法 <1>変分原理 第06回 7章 近似的方法 <2>リッツの変分法 第07回 7章 近似的方法 <3>変分法の応用 第08回 7章 近似的方法 <4>摂動法 第09回 8章 多電子原子 <1>オービタル近似 第10回 8章 多電子原子 <2>パウリの原理とスレーター行列式 第11回 8章 多電子原子 <3>ハートリー・フォック法 第12回 8章 多電子原子 <4>項記号 第13回 9章 化学結合: 二原子分子 <1>水素分子イオン 第14回 9章 化学結合: 二原子分子 <2>結合性・反結合性オービタル 第15回 9章 化学結合: 二原子分子 <3>等核二原子分子・異核二原子分子 ただし, 理解の程度に応じて進度を調整するために, 記載の予定とずれる可能性もあります. |
成績評価方法及び採点基準 /A scholastic evaluation method and marking standard |
平常評価 (質問カードと小テスト等, 20%), 中間評価 (レポート, 30%), 期末評価 (レポートまたは試験, 50%) を総合して評価されます. なお配点は目安です. 課題などの提出方法 (Teams, Moodle, 書面 のいずれか) は, 講義でその都度指示されます. |
予習及び復習等の内容 /Contents such as preparations for lessons and the review |
予習・復習ともに, 教科書 (や参考書) をよく読むことが基本中の基本です. 指定の教科書は, 十分に自学自習が可能なものですが, 自分のレベルに合った参考書と併読することも, 理解の助けになるでしょう. ○予習: 教科書を少し先まで読み, ここで議論していることの行く先についてのイメージを持つようにする. 話の中に出てくる数式になじんでおく. ○復習: 教科書の例題および講義で示された数式の展開を, もう一度自分の手でやってみる (写すのではない). 得られた数式の意味を考えてみる. 章末問題を解いてみる. (予習と復習は, 最低でも合わせて 4 時間程度行う必要があります.) |
教材・教科書 /The teaching materials, textbook |
物理化学 (上), D. A. マッカーリ, J. D. サイモン 著, 千原秀昭, 江口太郎, 齋藤一弥 訳, 東京化学同人. |
参考文献 /bibliography |
アトキンス 物理化学要論 (第7版), P. Atkins, J. de Paula 著, 千原英昭, 稲葉章 訳, 東京化学同人. アトキンス 基礎物理化学 (上) 第2版, P. Atkins, J. de Paula, R. Friedman 著, 千原英昭, 稲葉章 訳, 東京化学同人. 他にも講義の中で, またはサポート Web ページで適宜紹介されます. |
留意点・予備知識 /Point to keep in mind, back ground |
本講義は, 構造物理化学 I から続いており, このあと 構造物理化学演習 へとつながります. そして分子分光学や光化学などの直接の基礎となるだけでなく, 広く有機化合物や無機化合物などの分子構造や性質, および全ての物質の機能や物性を電子のレベルから理解するために必須の内容です. また, 講義内容を理解するためには, 相応の努力が必要です. 漫然と講義に出席して黒板を眺めていたり, 板書をノートに写す作業で満足しているようでは, 内容の理解に至らないでしょう. さらに, 物理化学分野の理解のためには, 数学および物理学の素養が必要です. コア基礎科目の 理工系の数学A や 力学I, 電磁気学I 等を履修し, その知識を使えるようになっていることが望まれます. しかしもしもこの点に不安があっても, 教科書には数学に関する補足があるので自主的に補うことができます. |
授業内容に関する質問・疑義等 /Question, doubt about class contents |
オフィスアワーは、月曜日 16:00-17:30 で, 理工学部二号館 0404 室が居室です。 または、Teams の質問チャンネルやメールでも随時受け付けます。 |
Eメールアドレス・HPアドレス /E-mail address, HP address |
E-mail: rmiya@hirosaki-u.ac.jp Web Page: http://www.st.hirosaki-u.ac.jp/%7Ermiya/class/ |
学問分野1(主学問分野) /Discipline 1 |
E32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野 |
学問分野2(副学問分野) /Discipline 2 |
該当なし |
学問分野3(副学問分野) /Discipline 3 |
該当なし |
実務経験のある教員による授業科目について /About the class subject by the teacher with the work experience |
なし |
地域志向科目 /Local intention subject |
なし |
授業形態・授業方法 /Class form, class method |
主に対面での講義形式で行われますが, 小テストまたは宿題などとして問題演習も随時行われることがあります. 毎回の出席確認を兼ねて, 講義に関連した *良い質問* を カードに書いて提出します (質問カード). 質問内容は平常評価の対象です. 質問カードは, Teams のフォームで提出します (または紙片でも可). もしもメディア授業として実施されることになったら, 講義の配信・受信には Teams を利用します. 資料の配布や課題の提出には Teams または Moodle を使用します. |
科目ナンバー /The subject number |
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メディア授業による著作物利用の有無について /Whether or not copyrighted works are used in media classes |
無/Nothing |
その他 /Others |
特になし. |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け(担当) /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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該当するデータはありません |