シラバス参照

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2021/09/17 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
地域研究特論/Advanced Lecture on Area Studies
時間割コード
/Course Code
C211000008
ナンバリングコード
/Numbering Code
開講所属
/Course Offered by
地域共創科学研究科/
曜日コマ
/Day, Period
木 2
開講区分
/Semester offered
前期/first semester
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
1,2
主担当教員
/Main Instructor
近藤 史/KONDO FUMI
科目区分
/Course Group
大学院(修士課程) 専攻科目
教室
/Classroom
必修・選択
/Required/Elective
選択
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Faculty/Department
近藤 史/KONDO FUMI 人文社会科学部/
難易度(レベル)
/Level
レベル5
対応するDP
/DP
B1
授業としての具体的到達目標
/Concrete arrival target as the class
・さまざまな地域ストックについて理解を深め,それらを切り口として地域コミュニティの変化を捉えるための分野横断的な視点を身につける。
・持続可能なコミュニティの構築にむけて,地域資源を活用・創出していくアプローチを構想できるようになる。


授業の概要
/Summary of the class
・人・もの・自然・仕組み等からなる地域ストックを手がかりに,地域コミュニティの変化を把握し,持続可能なコミュニティを構築するためのアプローチを検討する。具体的には,テキスト(先進事例)を輪読し,地域課題のトピックに応じて連関する地域ストックのありようと,その活用・創出の方策について学ぶ。
・そのうえで,先進事例から得られる知見と,青森県および北東北地域の課題とを,どのように接続できるか議論する。
・なお,参加者にはテキストの章(トピック)を割り当て,地域間比較の材料となる青森県および北東北地域の事例や,地域ストックの実態に関するデータ紹介を盛り込んだ,レビュー発表を課す。
授業の内容予定
/Contents plan of the class
第1回:オリエンテーション
 第1回目は講義の目的や,授業の内容および形式について確認する。第2回~第14回の授業ではテキスト『どうすれば環境保全はうまくいくのか』を輪読する。文献読解・事例探索を通してさまざまな地域ストックを効果的に活用・創出して環境問題を解決し持続可能な地域コミュニティを構築していく柔軟なプロセスについて学ぶ。第15回の授業は,講義全体を振り返り討論をおこなう。

第2回:輪読① 序章
 都市化や少子高齢化がすすむなかで,グローバルな価値とローカルな価値との間のズレや,個人それぞれがもつ私的な価値のズレは,さまざまな地域課題としてたちあらわれる。環境保全の現場で発展してきた「順応的ガバナンス(adaptivegovernance)」の考え方を参照しつつ,課題解決にあたって多元的な価値を尊重し,さまざまな地域ストックを活用・創出しながら協働していく必要性について考える。

第3回:輪読② 第1章 家庭ごみ減量化政策にみる市民参加と手続き的公正
 札幌市におけるごみ分別・収集制度の変更の事例をもとに,循環型社会の形成にむけた住民参加による計画づくりと実践について学び,対立を回避し継続的・連続的な参加と協働をうむ「共通目標」の設定の重要性について考える。

第4回:輪読③ 第2章 再生可能エネルギーの導入に伴う「被害」と「利益」の社会的制御
 東京都八丈島における地熱発電事業計画の事例をもとに,地域資源を活用した再生可能エネルギーの利用が地域にもたらすものについて学び,地域住民の「納得感」の醸成にむけた行政と住民,研究者による協働の重要性について考える。

第5回:輪読④ 第3章 農業土木でなぜ環境保全はうまくいかないのか
 徳島県における農業用水路整備と絶滅危惧種カワバタモロコ保全の事例をもとに,多元的な価値にもとづく人と自然の共生について考える。

第6回:輪読⑤ 第4章 野生動物と押し合いへし合いしながら暮らしていくために
 岩手県におけるツキノワグマ被害対策の事例をもとに,多様な主体間の協働の構築について考える。

第7回:輪読⑥ 第5章 「山や森を走ること」からの地域再生・環境ガバナンス構築の試み
  マウンテンバイクやトレイルランニングなどの野外スポーツをいかにして地域活性化に結びつけるか。マウンテンバイカーやトレイルランナーと,走行の対象となる林地や道の所有者・管理者とのあいだの軋轢を回避しつつ,新規の山林ユーザーを山林管理の新たな担い手として取り入れて行った各地の事例に学ぶ。

第8回:輪読⑦ 第6章 「獣がい」を共生と農村再生へ昇華させるプロセスづくり
 兵庫県篠山市の事例をもとに,農作物被害をもたらす野生動物を資源化し農村の豊かさを創出するコミュニティ・ビジネスの手法と,ITを活用した情報発信等でそれを支援する民間の中間支援組織の必要性について考える。

第9回:輪読⑧ 第7章 協働の支援における「寄りそい」と「目標志向」
 北海道大沼の水質汚濁問題とラムサール条約登録への動きを事例に,利害関係者の対話と協働を促進する地域外からの支援者の重要性と,その支援のあり方について考える。

第10回:輪読⑨ 第8章 「よそ者」のライフステージに寄りそう地域環境ガバナンスに向けて
 ツシマヤマネコの保護のために長崎県の対馬へ移住・定住した若ものを事例に,「よそ者」が地元住民と同化していくプロセスやライフステージの変化に伴う地域との関係の変化について考える。

第11回:輪読⑩ 第9章 自然再生の活動プロセスを社会的に評価する
 自然再生を社会的な営みとしてとらえ直すことによって新しいモノ・コト・ヒトを自分たちの資源として使いこなしていった,中海の干拓事業中止の事例をもとに,地域活動の振り返り手段としてのワークショップの有用性について考える。

第12回:輪読⑪ 第10章 どうすれば自然に対する多様な価値を環境保全に活かせるのか
 自然環境に対して見いだされる価値群はたんに多様なだけでなく,時代や状況によってダイナミックに変化する。それらを積極的に資源化していくためのひとつの手段として,宮崎県綾町でおこなわれた「人と自然のふれあい調査」の事例を検討する。

第13回:輪読⑫ 第11章 空間の記憶から環境と社会の潜在力を育むために
 時代によって変化し続ける自然資源と人間社会の関わりは,地域景観のなかに刻まれ,上書きされて埋没していく。それらを掘り起こし地域の潜在力として捉えなおすためのひとつの手段として,岩手県宮古湾で空中写真や古写真をもとに多世代の聞き語りをあつめて作成された「絵地図」の事例を検討する。

第14回: 輪読⑬ 終章
 環境保全の順応的ガバナンスを題材として,多中心性や想像力をキーワードに,たんなる「成功物語」ではない持続的なコミュニティの構築と,それを実現するための仕掛けについて考える。

第15回: まとめ・討論
 講義全体を振り返り,地域ストックと持続性について議論する。
成績評価方法及び採点基準
/A scholastic evaluation method and marking standard
評価方法:レビュー発表の内容(60%)と,討論での活動(40%)から評価する。
評価基準:レビュー発表では,先進事例の本質について理解しているか,また,比較のための適切な情報を十分に探索できているかを中心に評価する。討論では,教科書やレビュー発表の内容に関する理解をもとに,地域ストックや持続的なコミュニティ構築へのアプローチについて,自らの専門性を基盤としつつ分野横断的に検討することができるかを中心に評価する。
予習及び復習等の内容
/Contents such as preparations for lessons and the review
全ての参加者は毎回、教科書の該当部分を精読し、わからない単語や専門用語を調べて内容が理解できるように予習すること。また、授業後は扱った事例と関連する情報(ニュースや学術論文等)について図書館やインターネットで調べ、理解を深めるように復習すること。

発表担当者は、教科書の内容紹介および用語集(グロサリー)に加えて、議論の材料となる北東北地域の事例や統計データについて図書館やインターネット(各省庁の統計データや学術雑誌など)で情報を収集し、レジュメを作成すること。
教材・教科書
/The teaching materials, textbook
宮内泰介(編)(2017)『どうすれば環境保全はうまくいくのか ―現場から考える「順応的ガバナンス」の進め方』新泉社
参考文献
/bibliography
各授業の内容に応じて提示する
留意点・予備知識
/Point to keep in mind, back ground
特になし
授業内容に関する質問・疑義等
/Question, doubt about class contents
火曜日5,6時限をオフィスアワーとする(事前にメールで予約すること)
出張や会議でオフィスアワー内に対応できない場合もあります。また、他の時間帯も問い合わせがあれば可能な範囲で対応します。
Eメールアドレス・HPアドレス
/E-mail address, HP address
fumi.k[at]hirosaki-u.ac.jp
*[at]を@に変えてください。
学問分野1(主学問分野)
/Discipline 1
K64:環境保全対策およびその関連分野
学問分野2(副学問分野)
/Discipline 2
A08:社会学およびその関連分野
学問分野3(副学問分野)
/Discipline 3
A04:地理学,文化人類学,民俗学およびその関連分野
地域志向科目
/Local intention subject
なし
授業形態・授業方法
/Class form, class method
テキスト輪読。メディア授業に移行した場合は、Teamsを用います。
科目ナンバー
/The subject number
GC-5-1304-K64
メディア授業による著作物利用の有無について
/Whether or not copyrighted works are used in media classes
無/Nothing
その他
/Others
なし
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
該当するデータはありません

科目一覧へ戻る