科目一覧へ戻る | 2022/12/02 現在 |
開講科目名 /Course |
神経・脳代謝制御学講義/Neurophysiology and Brain Metaboism (Lecture) |
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時間割コード /Course Code |
M229000051 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
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開講所属 /Course Offered by |
医学研究科/ |
曜日コマ /Day, Period |
他 |
開講区分 /Semester offered |
通年 |
単位数 /Credits |
4.0 |
学年 /Year |
1 |
主担当教員 /Main Instructor |
山田 勝也/YAMADA KATSUYA |
科目区分 /Course Group |
大学院(博士課程) |
教室 /Classroom |
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必修・選択 /Required/Elective |
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授業形式 /Class Format |
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メディア授業 /Media lecture |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Faculty/Department |
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松谷 秀哉/MATSUTANI HIDEYA | 医学研究科/ |
多田羅 洋太/TATARA YOTA | 医学研究科/ |
山田 勝也/YAMADA KATSUYA | 医学研究科/ |
担当教員/TANTOU KYOUIN | 医学研究科/ |
難易度(レベル) /Level |
レベル5 |
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対応するDP /DP |
DP2 |
授業としての具体的到達目標 /Concrete arrival target as the class |
◯脳の基本的な細胞要素である神経細胞、グリア細胞、血管系の細胞のそれぞれの特徴について説明できる。神経細胞と共に神経細胞以外の各種細胞との相互作用に関して、既に十分に実証された知見と最新の知見を適切に引用し、脳の各細胞要素と相互の関係を構造と機能の両面から概説できる。 |
授業の概要 /Summary of the class |
概要: 脳を形作る細胞要素である神経細胞、グリア細胞、血管系細胞のそれぞれに関して、国際的に定評のあるテキストに加え、様々な検証に耐える事実を提示した重要文献、さらに最新の進展を示す重要論文の読解や生データ等の提示によるアクティブラーニングにより特徴づける。学生諸君は、下記の各項目に関して、分担してあらかじめ論文や総説を調べた知見をまとめ、発表する。内容に関して学生同士や教官に対し質問を行い、逆に教官側からも質問や説明を論文や総説、テキストなどで示す双方向性の講義を実現し、各項目と全体像の理解を深める。 詳細: 脳機能の研究は、神経細胞特有のシナプスを介した神経伝達物質(ニューロトランスミッター)の放出と、これに続くシナプス後細胞における一連のプロセス、軸索を伝搬する活動電位と軸索終末におけるイベント、そして神経細胞同士の興奮ならびに抑制に基づいて解析されてきた。しかし、脳には神経細胞の他に、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、マイクログリア、NG2グリアなどの多様なグリア細胞、そして内皮細胞、平滑筋細胞、ペリサイトなどの血管系細胞も存在する。従来、こうした細胞は神経細胞を支える脇役とされ、例えばアストロサイトについては脳のどこでも同じ性質を示すとされてきた。しかし、近年アストロサイト間のカルシウムウェーブの伝搬や、シナプスを介さないアストロサイトのグリオトランスミッター放出などを契機に、グリア細胞に関心が集まるようになってきた。当ユニットでも、脳領域特異的に異なる特徴を有するアストロサイトが存在することや、グリア細胞がメインプレーヤーとして関わる脳回路の存在を示唆する研究報告を最近行ない、脳にはこれまで全く知られていなかった多様な情報伝達様式が存在する可能性を示した。また、最近では脳血管の可塑的伸長や、動かないと思われていた脳の毛細血管調節など従来の常識を覆す新展開もみられており、血管系細胞が脳回路動作に重要なプレーヤーとして関わる知見が得られる日もそう遠くないかもしれない。 そこで本講義では、脳を構成する細胞要素である神経細胞、グリア細胞、血管系細胞の形態および機能について前期にじっくり学び、後期はこれら各種の細胞間の情報伝達、特に非シナプス性細胞間情報伝達や脳代謝との関係などに関する最新知見を交え、俯瞰的に現時点での知見を整理する。 |
授業の内容予定 /Contents plan of the class |
以下の項目について、少人数を対象にセミナー形式で講義を行う。 前期 脳を構成する各種細胞の構造と機能について脳活動を支える代謝を含めた全体像を理解する。 第1-2回目 神経細胞の基本構造、軸索、樹状突起、シナプス、 第3-4回目 神経細胞の機能、シナプス電位、活動電位、軸索伝搬 第5-6回目 グリア細胞の基本構造と機能 アストロサイト、オリゴデンドロサイト、マイクログリア 第7-8回目 脳血管の基本構造と血流調節 細動脈、毛細血管、周皮細胞、局所血管応答、計測手法 第9-10回目 脳活動と酸素受給の基本と計測技術 、PET、Intrinsic signal、イメージング 第11-12回目 脳活動とグルコース受給の基本と計測技術、PET、蛍光イメージング 第13-14回目 グリンファティックシステム 脳内リンパシステム 第15回目 前期のまとめ 後期 脳の機能局在と代表的な神経回路、さらに神経-グリア-血管を構成する細胞同士の相互作用について論文等を取り上げ、最新の知見ならびに現在議論となっている問題について、また病態との関連について学ぶ。 第16-17回目 神経-神経相互作用、Synaptic or Extra-synaptic, Non-synaptic (GJを含む)transmission 第18-19回目 神経-グリア相互作用、Neuron-glia iteraction 第20-21回目 グリア-グリア相互作用、 第22-23回目 血管-グリア相互作用 第24-25回目 神経-血管、神経-グリア-血管相互作用 第26-27回目 神経-グリア-神経相互作用 第28-29回目 脳と末梢の相互作用 第30回目 全体のまとめ |
成績評価方法及び採点基準 /A scholastic evaluation method and marking standard |
毎回の講義において、取り上げた主題や論文等に含まれる個別の具体的な内容に関して、それぞれ質問はないか、また各自がどのように考えるか、その場で各自にそれぞれ口頭試問を実施する。評価項目として以下をあげる。 1. 予習することにより生まれた個人的な疑問をのべることができる (30%) 2. その疑問が講義によりどのように解決されたかあるいは未解決であるか、的確に述べられる(30%) 最終判定は、毎回の口頭試問に対する回答内容が、通年の講義を通じ講義開始前の状態と比較して知識や考え方として進歩したか、または回答の方法や学習・予習の方法が進歩したかを評価する(40%)。それぞれのバックグラウンドや予備知識が異なるため、到達度は絶対評価ではなく、各自相対評価で判定する。 |
予習及び復習等の内容 /Contents such as preparations for lessons and the review |
毎回の講義内容について、教科書や適切な文献であらかじめ予習してから講義に臨むこと。予習の過程で生じた疑問を箇条書きなどし、講義中に「必ず」質問すること。ノートもしくはPCなどを持参し、講義の要点や質疑応答により解決された問題、未解決の問題を記載し、講義終了後は教科書やその参考論文などを調べて問題点を整理すること。これにより神経科学の各領域に多くの未解決の問題が存在することを知り、今後に役立つヒントが得られるに違いない。また、復習で疑問が生じればそれを次回の講義で質問すること。予習はそれ自体が各自に大きな進歩をもたらすと期待され、年間の講義と予習を通じて神経のみに偏らない、バランスのとれた脳の理解の基礎を獲得できるだろう。 |
教材・教科書 /The teaching materials, textbook |
「Principles of Neural Science 5th Edition」Eric R. Kandel他編, McGraw-Hill Medical (2013). 「FUNDAMENTAL NERUOSCIENCE、 4rh Edition.」 Larry Squire他編、 Academic Press (2013).「GLIA」 Ben Barres他編、Cold Spring Harbor Laboratory Press (2015) . 「Neuroglia 3rd Edition」Helmut Kettenmann, Bruce R. Ransom編. Oxford Univ. Press (2013). |
参考文献 /bibliography |
「THE FINE STRUCTURE OF THE NERVOUS SYSTEM: NEURONG AND THEIR SUPPORTING CELLS」 Alan Peters他著、Oxford University Press、 (1991)。 |
留意点・予備知識 /Point to keep in mind, back ground |
必要に応じてテキストを参照のこと。 |
授業内容に関する質問・疑義等 /Question, doubt about class contents |
随時、秘書室に電話もしくはメールにてアポイントをとること。 |
Eメールアドレス・HPアドレス /E-mail address, HP address |
山田勝也 kyamada[at]hirosaki-u.ac.jp [at]を@に置き換えてください。 http://www.med.hirosaki-u.ac.jp/~physio1/index.html |
学問分野1(主学問分野) /Discipline 1 |
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学問分野2(副学問分野) /Discipline 2 |
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学問分野3(副学問分野) /Discipline 3 |
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地域志向科目 /Local intention subject |
なし |
授業形態・授業方法 /Class form, class method |
少人数を対象にセミナー形式で講義を行う |
科目ナンバー /The subject number |
GM-5-2007-G46 |
メディア授業による著作物利用の有無について /Whether or not copyrighted works are used in media classes |
無/Nothing |
その他 /Others |
特になし。 |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け(担当) /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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該当するデータはありません |