科目一覧へ戻る | 2022/12/02 現在 |
開講科目名 /Course |
生態人類学特論/Advanced Lecture on Ecological Anthopology/ Human Ecology |
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時間割コード /Course Code |
C221000008 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
|
開講所属 /Course Offered by |
地域共創科学研究科/ |
曜日コマ /Day, Period |
水 2 |
開講区分 /Semester offered |
前期/first semester |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2 |
主担当教員 /Main Instructor |
杉山 祐子/SUGIYAMA YUKO |
科目区分 /Course Group |
大学院(修士課程) 専攻科目 |
教室 /Classroom |
|
必修・選択 /Required/Elective |
選択 |
授業形式 /Class Format |
講義科目 |
メディア授業 /Media lecture |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Faculty/Department |
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杉山 祐子/SUGIYAMA YUKO | 人文社会科学部/ |
曽我 亨/SOGA TORU | 人文社会科学部/ |
難易度(レベル) /Level |
レベル5 |
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対応するDP /DP |
B1 |
授業としての具体的到達目標 /Concrete arrival target as the class |
1)生態人類学の視点と方法を学び,その特徴を理解する。 2)生業を切り口として,地域や社会・文化の変化を把握する方法を学ぶ。 3)生態人類学の諸事例・理論の検討を通して,持続可能な社会のありようについて考える |
授業の概要 /Summary of the class |
現代社会における地域の持続可能性を考えるためには,生業を切り口として,人間活動と環境との相互作用を捉える生態人類学の枠組みが有効である。現代の生業は,外的には科学技術の進展や市場化によって,内的には生活様式の変化や人口流動によって大きく変貌しているが,地域の環境に根ざした社会生態システムとグローバルな規模での政治経済システムの多様な文脈を視野に入れることによって,新たな展開可能性への接近を試みることができる。この授業ではまず,生態人類学の視点と方法論の特徴を学ぶために,生態人類学的研究の蓄積を紹介する。つぎに, 生業を切り口として地域や社会・文化の変化を把握する方法への理解を導くために,諸社会における多様な生業研究の具体例を検討する。さらに,当該社会におけるヒトー環境系の特性およびその変化を把握する生態人類学の理論と方法を学び,持続可能な生業と社会のありかた、またその到達点に至るためのさまざまな実践と共創手法について考察する。 |
授業の内容予定 /Contents plan of the class |
第1回:イントロダクション-現代社会における生態人類学の目的と意義 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 現代社会の研究における生態人類学の位置づけをあきらかにしつつ,講義の目的と講義全体の構成を示す。同時に,受講準備等,受講にあたっての留意事項を確認する。 第2回:生態人類学の視角と方法 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 生業を切り口に,ヒトと環境との相互作用として社会をみる生態人類学の視角を学ぶ。緻密な観察を特徴とする生態人類学の方法を紹介し,環境利用システムとしてのヒトー環境系モデルについて理解を深める。 第3回:人類史における環境適応と生業の多様性 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 多様な自然環境への適応の過程において多様化した生業を,人類史という時間軸に位置づけて解釈し,ヒトー環境系モデルを長期の通時的視点で整理する。また,その過程で発達してきたと考えられるヒトの社会的な行動や文化・社会のしくみについて考える。 第4回:環境利用システムとしての生業と社会 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 第4回~第9回は,生業という切り口から,地域や社会・文化の変化を把握する方法を学ぶため, 現代における諸社会の事例研究をとりあげ,検討する。その基礎となる考え方を確認するため,第4回は,生業を,共時的な環境利用システムという観点から考察し,それぞれの地域・社会の特性をうみだす生活様式について検討する。 第5回: 生態人類学の展開1-狩猟採集社会 (担当:杉山祐子, 曽我亨) これまでの生態人類学的研究の蓄積による理論的展開の概要を学ぶ。人類にとって,もっとも原初的で,かつ現在まで継続する生業である狩猟採集と,狩猟採集をおもな生業とする移動性の高い社会の特徴について,先行研究をもとに検討する。 第6回:生態人類学の展開2-牧畜社会 (担当:曽我亨,杉山祐子) 動物の家畜化をとおして発達してきた牧畜という生業の特徴と,牧畜をおもな生業とする移動性の高い社会の特徴について,先行研究をもとに検討する。集団の成り立ちと家畜の信託制度など,生業と社会制度の結びつきに焦点をあてる。 第7回:生態人類学の展開3-農耕社会 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 狩猟採集,牧畜に比べて,定住性を高めた生業である農耕と,農耕をおもな生業とする社会の特徴について,移動農耕と定住農耕のちがいに着目しながら論じる。定住化による環境利用システムの変化,組織原理の特性などに言及する。 第8回:生態人類学の展開4-生存戦略としての「平等」と「分かちあい」 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 産業化が進んでいない諸社会では,狩猟採集,牧畜,農耕いずれの生業においても,その生計の主眼は,安定した食料の確保におかれている。多く持つ者が持たざる者に分配することを促す制度や規範,それを支える信仰体系などによって,結果的に集団の成員の生存が確保されるしくみについて,近代産業社会との対比をまじえて論じる。 第9回:生態人類学の展開5-社会的葛藤と共存の手法 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 複数がともに暮らす社会では,成員間のもめごとや資源をめぐる争いが生じることはさけられない。そうした社会的葛藤を回避し,集団の分裂や集団間の争いに発展させないしくみに着目し,葛藤回避と共存の手法について検討する。 第10回:現代社会の生態人類学1- 人々の科学としての在来知 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 第10回以降は,5回にわたり,現代社会における生態人類学の展開について諸事例をもとに紹介し,持続可能な生業と社会のありかたを考察するための理論を検討する。まず,特定の地域の自然環境に深くコミットして錬成された知識や技術の体系=在来知に着目し,それを把握する方法と,現代社会における在来知研究の意義について検討する。 第11回:現代社会の生態人類学2-在来知イノベーション (担当:杉山祐子, 曽我亨) 現代社会の諸地域における生業の変化は,外部の技術や知識,政治的な介入によってもたらされたインパクトを組み込んだ在来知のイノベーション過程とみることができる。地域の特性に根ざしたイノベーションがどのような過程で展開してきたのかを検討し,その可能性について論じる。 第12回:現代社会の生態人類学3-近代化との相克をめぐって (担当:杉山祐子, 曽我亨) 急速に進展するグローバル化と科学技術の発展,それにともなう人口流動や生活様式の変化は,地域の生業のありようを大きく変化させている。生態人類学が対象としてきた諸地域において生じている変化とその把握の方法について論じるとともに,変化への対応と読み替えなど,人びとの試行錯誤のなかで生みだされた対応について検討する。 第13回:現代社会の生態人類学4-現金経済・市場経済との接合 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 地域に根ざした生業とそれを基盤とする生活様式に着目し,人びとがその自律性を保ちながら,現金経済や市場経済への接合を果たしている現状について論じる。その接合のようすに,地域の潜在力をみる可能性について検討する。 第14回:現代社会の生態人類学5-地域の潜在力と脆弱性から構想する社会の持続可能性 (担当:杉山祐子, 曽我亨) 第13回講義をふまえ,潜在力と脆弱性という観点から,地域の生業と社会のありようを検討する方途について論じ,社会の持続可能性について検討する。 第15回: 総合討論:現代社会における持続可能な生業と環境をかんがえる (担当:杉山祐子, 曽我亨) これまでの講義をふまえて,総合的な討論を行う。 *受講者の理解度や興味を勘案して内容や順番を変更することもあります |
成績評価方法及び採点基準 /A scholastic evaluation method and marking standard |
総合討論におけるプレゼンテーション(40%)と,総合討論の知見を発展させたレポート(60%)により評価する。 総合討論におけるプレゼンテーションでは,生態人類学の特徴および地域や社会の変化を把握する方法論についての理解ができているかを中心に評価する。レポートの評価では,生態人類学の諸事例や理論についての理解を,受講者自身の関心事にひきつけた課題設定ができているか,それをふまえて社会の持続性に関する考察が展開できているかを評価する。 メディア授業になった場合も、対面での授業と同様、総合討論におけるプレゼンテーションとレポートにより評価する。配点は定期試験の場合と同じ。 |
予習及び復習等の内容 /Contents such as preparations for lessons and the review |
予習:紹介した参考文献等には必ず目を通し、コメント質問を用意する。必要に応じて関連情報を収集しておく 復習:配布されたレジュメ・資料および講義内でのやりとりを見直し、理解を深める。これをふまえてコメント・疑問点の整理、関連文献・情報の収集を重ねる |
教材・教科書 /The teaching materials, textbook |
全体を通じたテキストは使用せず,小テーマごとにレジュメと必要な資料を配布する。 |
参考文献 /bibliography |
Tim Ingold『BEING ALIVE』Routeledge,秋道智彌・市川光雄・大塚柳太郎(編)(1995)『生態人類学を学ぶ人のために』世界思想社などのほか,第1回の講義でおもな参考文献・資料を紹介する。 |
留意点・予備知識 /Point to keep in mind, back ground |
事前に人類学・社会学など関連分野の基礎知識にふれておくことが望ましい |
授業内容に関する質問・疑義等 /Question, doubt about class contents |
月曜日 10時20分から11時50分。 なお,この時間帯以外での面会を希望する場合は,事前に連絡すること。 出張や急な会議等で対応できないこともあります。 |
Eメールアドレス・HPアドレス /E-mail address, HP address |
yukos[at]hirosaki-u.ac.jp |
学問分野1(主学問分野) /Discipline 1 |
A04:地理学,文化人類学,民俗学およびその関連分野 |
学問分野2(副学問分野) /Discipline 2 |
A08:社会学およびその関連分野 |
学問分野3(副学問分野) /Discipline 3 |
該当なし |
地域志向科目 /Local intention subject |
なし |
授業形態・授業方法 /Class form, class method |
講義形式。メディア授業の際には、Teamsによる同時配信(or録画オンデマンド配信)で講義を行います。 |
科目ナンバー /The subject number |
GC-5-1305-A04 |
メディア授業による著作物利用の有無について /Whether or not copyrighted works are used in media classes |
無/Nothing |
その他 /Others |
なし |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け(担当) /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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該当するデータはありません |