科目一覧へ戻る | 2024/03/29 現在 |
開講科目名 /Course |
都市・農村計画特論/Advanced Lecture on Town & Rural Planning |
---|---|
時間割コード /Course Code |
C241000011 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
|
開講所属 /Course Offered by |
地域共創科学研究科/ |
曜日コマ /Day, Period |
水 3 |
開講区分 /Semester offered |
前期/first semester |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2 |
主担当教員 /Main Instructor |
北原 啓司/KITAHARA KEIJI |
科目区分 /Course Group |
大学院(修士課程) 専攻科目 |
教室 /Classroom |
|
必修・選択 /Required/Elective |
選択 |
授業形式 /Class Format |
講義科目 |
メディア授業 /Media lecture |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Faculty/Department |
---|---|
北原 啓司/KITAHARA KEIJI | 教育学部/ |
難易度(レベル) /Level |
レベル5 |
---|---|
対応するDP /DP |
A1,B1 |
授業としての具体的到達目標 /Concrete arrival target as the class |
○人口減少社会における地域計画の現代的課題を正確に理解し,そこでいかに将来ビジョンを共有できるかを自ら実践することができるレベルを目指す。 ○これまでの都市政策とは明らかに異なる計画観の転換が必要となってくることを理解し,地域マネジメントが可能となる人材となっていくことを目指す。 |
授業の概要 /Summary of the class |
人口減少社会における地方の都市-農村共生のあり方について学び,フローのための制度ではなく豊かなストック社会の実現のための考え方の転換について,各事例を解説しながら学ぶ。また,マネジメントの時代の都市計画・農村計画の意義と課題を学びながら,所有から利用にシフトしたエリア・マネジメントの実態を理解するとともに,それが前向きに取り組まれている東日本大震災の被災地の実際を知る。「都市計画マスタープラン」や「立地適正化計画」等,真のコンパクトシティ実現のための諸制度を用いた自律的地方都市の構想手法を習得する。 |
授業の内容予定 /Contents plan of the class |
第1回 4/17(水):成長都市から成熟都市へ 人口が増加する時代の都市計画から,減少する時代の都市計画へのパラダイムシフトの意味を,成長戦略が地域活性化にダイレクトにつながっていた時代ではなく,成熟していく都市あるいは地域の方向性を見いだしながら,明らかにする。 第2回 4/24(水):田園都市の思想 近代都市計画の祖と称されるエベネザー・ハワードの田園都市論は,自然との共生,都市の自律を提示したものであり,その後の近代都市計画に大きな影響を与えたものであるが,人口が減少していくこれからの時代こそ,地方が真剣に取り組んでいくべき考え方であることを学び,現代都市計画における意義を考える。 第3回 5/1(水):地方における都市・農村計画のあり方 我が国における地方都市の典型的な発展形態を捉えるとき,近世の城下町に代表される強固な中心を持った都市構造が,近代から現代に移るにつれて,農業構造の転換,モータリゼーションの進展に伴い全く異なったものになった今,地域計画のあるべき姿を考える。 第4回 5/8(水):コンパクトシティの本質 言葉だけが一人歩きした感のあるコンパクトシティ論を,本来の持続可能な発展を想定したヨーロッパにおける都市計画の考え方を学び,形態論ではなく,第一次産業と共存する都市の姿をわかりやすく検討していく。 第5回 5/15(水):ストックの時代の都市計画とは 成長ではなく成熟の時代の都市政策は,次々にフローを生み出していく時代に別れをつげ,すでにあるストックをどのように育てて次の時代に生かしていくかを考える政策に転換する必要がある。コンパクトシティ論にもつながるストックの活用は,新しくつくっていくことに向けられていた制度や財政的支援とは全くベクトルの異なる政策が必要となることを明らかにする。 第6回 5/22(水):人口減少時代の住宅政策 世界の中でも住宅の所有率が高いことで知られる我が国の住宅政策が。人口減少時代に空き家が次々に顕在化して,地域の衰退化にもつながっていく現実的課題を理解した上で,持ち家を中心とした不動産所有の政策転換から都市計画の方向性が変わっていくことを明らかにする。 第7回 5/29(水):市街地の再編集-リノベーションの必要性- 成長の時代には地価の安い郊外部や農村部に次々と新しい空間を生み出し,市街地を拡大させていく都市計画が中心であったが,人口減少の時代は,市街地拡大ではなく空洞化が顕在化している旧市街地の再編集が必要になる。それは単に古くなったものを改修するという意味ではなく,新たな役割を持たせるリノベーションの取り組みとして生まれることを解説する。 第8回 6/5(水):ファシリティ・マネジメントの思想 全国の自治体が,人口減少の時代に台頭せざるを得ない形で,学校の統廃合やコミュニティ施設の縮小等の施策をFM(ファシリティ・マネジメント)の名の下に実施している中にあって,本来のFMの意味を捉え直して,成熟の時代の施設整備,都市施設(道路等)のあり方を考える。 第9回 6/12(水):ストリート・マネジメントの魅力 米国で1990年代から導入されてきたストリート・マネジメント手法は,身の丈の再開発手法として,ブルドーザーが中心となる開発ではなく,地域住民や事業主をマネージャーとして育てながら,まちを育てる新たな取り組みとして国内でも注目されており,解説する。 第10回 6/19(水):エリア・マネジメントの実戦に向けて 従来はまちづくり会社と称して,第三セクター的な組織が不動産所有や駐車場経営によって,商店街組合等の経営を支えるスタイルであったものが,まさに地域の将来像をマネジメントする組織として新たな可能性が顕在化してきており,その先進事例を解説する。 第11回 6/26(水):東日本大震災からの次世代に向けた新しいまちづくり 未曾有の大震災からの復興に向けたまちづくりが進められている三陸沿岸諸都市では,ストックを失いゼロからのまちづくりをしなければならない現実の中で,真のコンパクトシティ政策を進めつつ,所有から利用へとパラダイムを転換させながら,非被災地の今後の都市計画においても重要なエリア・マネジメントが始まっていることを学ぶ。 第12回 7/3(水):都市計画マスタープランと立地適正化計画 各自治体で進められている都市計画マスタープラン策定の動きは,人口減少社会の進展と連携する形で都市を縮小する形態で捉えられ,同時に進められている立地適正化計画によって,財政の対象となるものが厳しく絞られていくように見られがちな中で,農村部のあり方を現実的に考える中で都市発展の持続可能性を検討する政策の必要性を論じる。 第13回 7/10(水):参加と公共 ボランティア論で扱われる「参加」とは異なり,地域をマネジメントしていく一つのセクターとしてのNPOや新たな形態の組織の必要性と可能性とを明らかにし,それによって生み出されてきている都市空間の事例とその課題を解説する。 第14回 7/17(水):農村計画の新しい方向性 担い手問題が根本的困難な状況にあって,基本的な生活環境を維持しながらあらたなコミュニティ・ビジネスの可能性を探りつつ,都市周辺農村部の地域計画のあり方と展望し,全国的に見て先進的な事例を学ぶ。 第15回 7/24(水):「空間」を「場所」に変えるまち育て 本講義の最後のまとめとして,都市空間にしろ農村地域にしろ,成長の時代に整備されていった「空間」が,現代においては単純に地域に空洞を生み出してきており,そこを改めて,地域にとっての大事な「場所」にしていくためのマネジメント,いわゆるまち育ての手法を総括するとともに,先進事例からその可能性を学ぶ。 |
成績評価方法及び採点基準 /A scholastic evaluation method and marking standard |
各回の小レポート(20%),最終レポート(80%)で評価する ○人口減少社会の現状を講義の中でしっかりと理解し,その上で,都市・農村計画のビジョンに向けた独自の視点を持つことができているかを,各回の最後に実施する小レポートで確認する(20%)。 ○成長時代のこれまでの都市政策ではなく,ストックを重視する令和の都市計画観を持ちながら, 地域をマネジメントしていく手法を提案していく最終レポートを課し,そこで評価する(80%)。 |
予習及び復習等の内容 /Contents such as preparations for lessons and the review |
講義内容は現代の都市問題に関わるため、常に新聞報道や書籍等で、情報に敏感になって学んでおくことが大事であり、また講義後にはその上で、自らの集めた資料を再度読み直しながら、理論を深めていってもらいたい。 |
教材・教科書 /The teaching materials, textbook |
特に指定はないが,講義内容に合わせて資料を配付する |
参考文献 /bibliography |
北原啓司著(2018)『「空間」を「場所」に変えるまち育て-まちの創造的編集とは-』萌文社 |
留意点・予備知識 /Point to keep in mind, back ground |
特になし |
授業内容に関する質問・疑義等 /Question, doubt about class contents |
月曜日 10時20分から11時50分 なお,この時間帯以外での面会を希望する場合は,事前に連絡すること。 |
Eメールアドレス・HPアドレス /E-mail address, HP address |
なし |
学問分野1(主学問分野) /Discipline 1 |
C23:建築学およびその関連分野 |
学問分野2(副学問分野) /Discipline 2 |
Z95:学際・新領域 |
学問分野3(副学問分野) /Discipline 3 |
A08:社会学およびその関連分野 |
地域志向科目 /Local intention subject |
地域志向科目 |
授業形態・授業方法 /Class form, class method |
ビジュアルなデータを用いた講義形式で実施していくが、各授業の後半20分には、小レポートをまとめる演習を実施する。 |
科目ナンバー /The subject number |
GC-5-1313-C23 |
メディア授業による著作物利用の有無について /Whether or not copyrighted works are used in media classes |
無/Nothing |
その他 /Others |
地域志向科目として、弘前や黒石市の都市計画の実例を詳しく解説する |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け(担当) /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
該当するデータはありません |