センターについて

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センター長挨拶

近年の情報通信技術や計測技術の発展によって多種多様なデータが加速度的に蓄積されています。例えば、みなさんがお持ちのスマートフォンはセンサーとアプリで多種多様なデータを取得し、映画一本分のデータを数秒で送信する高速通信回線でインターネットに送信して蓄積し、昔の大型計算機を凌駕する計算能力で処理することで私たちに有用な情報をもたらしてくれます。
こうして日々蓄積され続けているデータは行動ログデータと呼ばれるビッグデータのひとつです。ビッグデータとは単にサイズが大きい(Big)データではありません。行動ログデータのような、膨大な量(Volume)の多種多様(Variety)なデータが加速度的(Velocity)に蓄積されつつあるという3つのVを特徴とするものです。そして、日本が目指す未来の社会・Society5.0ではあらゆるところにビッグデータが存在します。
グーグルやアマゾンなどのインターネット企業が生まれたのは1990年代、社名がMetaに変わったFacebookは2000年代です。これらの企業はビッグデータを生成する仕組み作りとビッグデータから有益な情報を取り出す手法で莫大な利益を上げ、現在では株価総額ランキングで上位を占めるようになっています。その間、日本は「失われた30年」と呼ばれる低迷の時代でした。株価総額ランキングの変化が示すようにこれからの価値創造はビッグデータの利活用にかかっています。日本が長い低迷から抜け出し、未来の成長に向けた一歩を踏み出すためにはビッグデータから価値を生み出さなくてはなりません。そのために必要なものがデータサイエンスです。データサイエンスは「データの設計、取得、管理、解析及びデータからの推論を目指す科学」であり、従来の統計学と情報科学の二つの分野をベースとして、さまざまな分野での問題解決を行う学際的な分野です。

弘前大学では、こうした時代背景・要請のもとでデータサイエンス教育に踏み出すことになり、2022年4月1日、数理データサイエンス教育センターを設置しました。本センター設置の目的は、1.あらゆるところに存在するビッグデータからデータサイエンスを用いて新しい付加価値を生み出せる、2.学術研究や地域課題の解決にデータサイエンスの手法を用いて取り組める、3.進化・発展するデータサイエンスの知識を学び更新していける、人材の育成です。こうした人材は既存の知識・解決方法と合わせて問題解決に取り組むことで新しい価値を創造する、Society5.0の実現にも不可欠な存在です。
本センターは、自分の将来のためにデータサイエンスを学びたい学生や研究・業務に活かしたい教職員はもちろんのこと、地域の課題にデータサイエンスで取り組みたい人、データサイエンスを用いて新製品やサービスの提供を考える企業や自治体で働く人など、データサイエンスを必要とするすべての人をサポートするためにあります。データサイエンスを学びたい、データサイエンスの手法で新しい発見をしたい、課題解決をしたいとお考えでしたら、ぜひ本センターにお声がけください。

 

令和4年4月1日

弘前大学 教育推進機構 数理・データサイエンス教育センター長 守 真太郎

目的

日本政府のAI戦略2019で標榜された、データを活用し社会の課題を発見、解決できる人材の育成を目的とする数理・データサイエンス・AI教育の全学的な普及と関連科目の整備を行い、授業の実施、授業の内容・方法の改善、質保証等を目的として、令和4年4月に数理・データサイエンス教育センターを設置しました。目的遂行のため次の5つを実施します。

  1. 文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(MDASH)が求めている内容に沿った数理・データサイエンス教育プログラム(リテラシーレベル)の実施と点検・評価・改善
  2. 同認定制度の応用基礎レベルで求められている数理・データサイエンス教育プログラム(応用基礎レベル)の実施と点検・評価・改善および専門教育の接続のサポート
  3. 開発したデータサイエンス教材の公開・配布
  4. 社会人のリカレント教育・リスキリングのサポート
  5. 近隣の高校・大学のデータサイエンス教育のサポート

活動計画

日本政府のAI戦略2019で標榜された、データを活用し社会の課題を発見、解決できる人材の育成を目的とする数理・データサイエンス・AI教育の全学的な普及と関連科目の整備を行い、授業の実施、授業の内容・方法の改善、質保証等を目的として、令和4年4月に数理・データサイエンス教育センターを設置しました。目的遂行のため次の5つを実施します。

  1. MDASHリテラシーレベル認定教育プログラム「数理・データサイエンス・リテラシープログラム」の実施・点検・評価・改善、構成科目「データサイエンス基礎」の教員研修(FD)
  2. MDASH応用基礎レベルプログラム「数理・データサイエンス・応用基礎プログラム」の実施・点検・評価・改善
  3. 副専攻プログラム「データサイエンスコース」の実施・点検・評価・改善
  4. データサイエンス相談コーナー(学生向け)開設と運営
  5. 各種勉強会・セミナー・講演会
  6. 教材「データサイエンス基礎」の公開・配布

センターの組織

センター会議委員

氏名 所属 職名 役割 専門分野
守 真太郎 理工学研究科 教授 センター長 統計物理学(経済物理・確率過程)
玉田 嘉紀 医学研究科 教授 副センター長 医療ビッグデータ解析
花田 真一 人文社会科学部 准教授 実証産業組織論
吉川 和宏 教育学部 講師 確率論
對馬 栄輝 保健学研究科 教授 生物統計学,データ解析学
尾崎 翔 理工学研究科 助教 医用情報科学
栗田 大輔 農学生命科学研究科 助教 生化学
徐 貺哲 教育推進機構教育戦略室 助教 認知科学
宋 美蘭 教育推進機構教育戦略室 准教授 教育学(国際比較教育・教育社会学)
今井 雅 理工学研究科 教授 計算機工学
城田 農 理工学研究科 教授 流体工学,熱工学
銭谷 勉 理工学研究科 教授
島田 照久 理工学研究科 准教授
丹波 澄雄 理工学研究科 准教授
紅林 亘 理工学研究科 助教 力学系
野村 真理子 理工学研究科 助教
宮川 泰明 理工学研究科 助教
戸田 陽介 学務部教務課 課長