Curriculum Policy

カリキュラム・ポリシー(CP)

Curriculum Policy教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)CP

弘前大学は、学生の主体的・能動的な知的探究をとおして、学生の知性ならびに人間性・社会性を育む教育課程を編成・実施します。

(1)教養教育:教養教育は学生の探究の第一歩です。

見通す力
学生に人類の叡智たる諸学問の構造を俯瞰する機会を提供することで、複眼的思考および多元的価値観に立脚した省察を促します。これにより、国際社会や地域社会が抱える複雑な問題の本質を見通す力を養います。

解決していく力
学生に国際社会や地域社会の実情や問題の複雑さに触れる機会を提供します。これにより、学生が個人およびチームとして問題の解決に挑戦できるよう導いていきます。

(2)専門教育:専門教育は、学生の探究の集大成です。

見通す力
学生に専門知識を体系的に教授することで、自然や社会への洞察を深化させます。

解決していく力
学生に、専門知識を国際社会や地域社会の問題解決に応用したり、高度な学識を活かして学術的問題の解決に取り組んだりする機会を提供します。これに加えて専門家としての見識と職業倫理も、実践をとおして培います。

(3)学士課程教育の再構築:学生の探究の過程こそが新しい学士課程の本質です。

学び続ける力
卒業後、学生が国際社会や地域社会の一員として充実した生活を送るとともに、より良い社会の実現に貢献していくことができるように、学生の探究の習慣を確立します。

Glossary教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)の解説

弘前大学の教育課程では、「学力」「行動力」「意欲」を発展させた「見通す力」「解決していく力」「学び続ける力」を育成していきます。

「見通す力」とは、学術的な知識を活用して自然や社会を照らし、自然の神秘や社会の深奥を見つめ直す力です。

ニュートンは「私が遠くを見渡すことができたのは、私が巨人の肩の上に乗っていたからだ」と言う言葉で、先人が積み上げてきた知識を土台として、さらに新しい知識を生み出していくことの重要性を説いています。

学生に「ニュートンになれ」とは言いません。しかし、「ニュートンと同じ気構えで、学問を幅広く、そして奥深く学んでいきましょう」とは言いたいところです。それによって、自分一人ではわからなかったような謎も、きっと解き明かすことができるようになるはずです。教養教育と専門教育をとおして、学問をしっかりと修めていきましょう。

「解決していく力」という言葉には「継続」のニュアンスを込めています。我々は学生に学術的な問題を解いたり、地域社会や国際社会の問題を解決したりしてほしいと願っています。ただし、それと同時に、学術的問題や社会的問題の解決は、一朝一夕では達成できないような難しいチャレンジであることも承知しています。だからこそ「解決する力」ではなく「解決していく力」という言葉を選びました。「解決していく力」とは、今の自分では解決できないような困難な問題に直面した時に、簡単に放り出すのではなく、改めて知識を学びなおしたり、自分の技能を向上させたりしながら、問題解決に向けてじっくりと取り組んでいく力です。

弘前大学の教育課程において、学生はさまざまな形で問題解決能力を問われる場面に出くわします。いずれの場面でも、問題解決は簡単ではないと思いますが、教職員もしっかりとサポートしますので、問題解決にじっくりと取り組んでいってほしいと思います。

「学び続ける力」のポイントは「無知の知」です。無知の知とは、どんな人間だって完全な知識を獲得することはできないのだということを自覚し、今の自分の限界を乗り越えようと絶えざる自己研鑽を行なっていくことです。謙虚になって自己研鑽を続けるか。自分の力を過信して怠け者になってしまうか。ここに人生の大きな分かれ道があります。

こういう風に言うと、なんだか学び続けるということは、修行や苦行の一種のように思えるかもしれませんが、実はそうではありません。今まで知らなかった知識を得ることは楽しいことですし、昨日できなかったことが今日できるようになるということで、大きな達成感を味わうことができます。

弘前大学の教育課程をとおして、「無知の知」を心に刻み、謙虚に、そして楽しく学んでいく習慣を身に付けていきましょう。

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